お世話になった人へのお礼や季節の挨拶として年末に贈られるお歳暮ですが、お歳暮をいただいた時に、お返しはどうすればいいのか疑問に思う人も多いことでしょう。
お歳暮をもらった時にお返しやマナー、時期などについて解説します。
お歳暮が届いてからすぐにお返しをすると相手に気を遣わせてしまうため、届いてから1週間以上空けて12月中にお返しをするとよいでしょう。
ただし、12月は年末が近づけば近づくほど忙しくなる時期になるため、12月末頃に品物を送るのはあまり好ましくありません。
そのため、お返しが12月25日頃を過ぎる場合は年明け以降に品物を送りましょう。その場合、品物に掛けるのしが変わるため注意が必要です。
参考:お歳暮の時期はいつからいつまで?
お歳暮のお返しののし(熨斗)は贈る時期によって変わります。
お返しを届ける時期 のし
12月中 お歳暮
1月1日~1月7日(松の内)まで お年賀
1月8日~立春(2月3、4日頃)まで 寒中御見舞、寒中御伺い
お歳暮を贈り合うという意味で、のしは「お歳暮」とするのが一般的です。
ただし、お歳暮は年末の挨拶の意味になるため、届く時期が年明けになる場合、松の内までなら「お年賀」とします。松の内は正月飾りを出しておく時期のことで、一般的には1月7日まで、関西だと1月15日までです。
松の内を過ぎたら、のしは「寒中御見舞」や「寒中御伺い」を使います。
参考:お歳暮ののしの種類・書き方・名入れは?
お歳暮のお返しは相手に気を遣わせない意味でも半額程度か同額までにします。
基本的には自分がどのくらいお世話になったかで判断すればよいですが、5千円程度の品物の場合は3〜5千円程度、3千円程度の品物の場合は2〜3千円程度の品物が妥当でしょう。
贈られた金額以上のものをお返しにしてしまうと「今後のやりとりは結構です」と捉えられてしまうことがありますので注意しましょう。
お返しの品物は相手に気を遣わせない品物にします。例えば、食品や飲料、日用品などが考えられます。
相手に喜んでもらえるかどうかが大事なので、相手の家族構成や好みなどで選ぶのがよいでしょう。
子どもがいる家庭にはお菓子やジュース、一人暮らしの方には食べ物の小分けパックなどが喜ばれます。お酒が好きな人にはビールや日本酒などもおすすめです。
いただいたお歳暮と同じものを贈ることは贈り返したことと同じ意味になるため、避けるようにしましょう。
お礼状には基本的な構成要素があります。次の内容を入れて書くようにしましょう。
冒頭は「拝啓」「謹啓」などの頭語を添えます。
季節に合わせた時候の挨拶を書きます。お歳暮の時期は11月下旬から12月20日頃になるので、「寒冷の候」「師走の候」などを使います。
口語調の優しい印象の文章にする場合は「寒冷のみぎり」などとするか「寒く冷たい時期となりました」といったような表現にします。相手との関係性によって使い分けましょう。
時候の挨拶に続き、「ますますご健勝のこととお喜び申し上げます」「元気でお過ごしでしょうか」といったように相手の繁栄や健康を尋ねる文を添えるのが一般的です。
お歳暮をいただいたことに対するお礼の言葉を書きます。
品物に関してどのように使用したか具体的に書いたり、日頃の感謝を更に述べたりすることで文章に膨らみが出ます。よりお礼の気持ちが相手に伝わるでしょう。
「くれぐれもご自愛ください」「ご健康をお祈り申し上げます」といったように冬の寒い時期の健康を気遣う言葉を添えます。
頭語を「拝啓」で始めた場合は「敬具」を、「謹啓」で始めた場合は「謹白」の結語を使用して文章を締めます。
頭語と結語の組み合わせを間違えないこと、季節に合った時候の挨拶をすることを意識します。
基本の構成をおさえた上で、相手との関係性を考慮し丁寧な文章を心がけるようにしましょう。
拝啓
寒冷の候、〇〇様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、この度は結構なお歳暮の品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。〇〇様には日頃より気にかけていただき、多大なるお力添えを頂戴しておりますが、更にはこのような丁寧なお歳暮までいただき大変恐縮でございます。
これからもご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
寒さの厳しい折、風邪など召されませんようどうぞご自愛ください。
略儀ながら書中をもって御礼申し上げます。
敬具
お返しを贈るのであれば、お礼状は必要ないと考えがちですが、お歳暮は「贈り合う」ものなので、お返しの品物とは別にお礼状を送るのがマナーです。
相手は無事に品物があなたの元に届いたかどうか心配しています。お歳暮が届いたらなるべく早めにお礼状を送りましょう。
なお、基本的にはお礼状ですが、電話やメールでお礼を伝える方法もあります。
お歳暮は季節の挨拶ですから、基本的に一度お歳暮のやりとりをしたら翌年も贈り合うものと考えたほうがよいでしょう。
そのため、翌年は相手からお歳暮が届くものと想定して、早めにお歳暮を手配するようにしましょう。
もし一度きりのやりとりとするのであれば、お礼状に「翌年からはお気遣いは結構です」と書き加えるか、お返しの品物ののしを「お歳暮」ではなく「御礼」や「感謝」とします。
例えば、お歳暮が12月初旬に届いたにもかかわらず、1月になってからお返しをお年賀として贈った場合、そのあとまたお年賀のお返しが届いてしまうことがあります。
お返しの品物を届けるのが1ヶ月以上空く場合は、「お歳暮ありがとうございました」と品物に一筆添えると行き違いを防げます。電話などで一報を入れておくのもよいでしょう。
最近はお歳暮のお返しを贈る場合も多く見られます。その際、大事なことはお返しという気持ちではなく、1年の感謝や労いの思いを自分からも贈るという気持ちを持つことです。
感謝の気持ちが相手にしっかり伝わるように、お歳暮のマナーをきちんと把握しておきましょう。
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