日ごろお世話になっている方に、1年間の感謝を込めて贈るのがお歳暮です。しかし喪中の場合には、お歳暮を贈ってもいいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
喪中の範囲や期間などを踏まえて、喪中のお歳暮についてどうすればよいのか紹介します。自分が喪中・相手が喪中の場合にそれぞれ気をつけることも、確認しましょう。
喪中とは、故人の死を悼み、遺族が喪に服す期間です。一般的には2親等以内の親族が亡くなった際に喪に服しますが、縁の深い方が亡くなった場合にも喪中とすることもあります。
親等とは親族関係を表すもので、数字が小さいほうが関係の近い間柄です。自分と配偶者を0親等とし、それぞれの親等は次の間柄を指します。
1親等:父母・義父母・子ども
2親等:祖父母・兄弟・兄弟の配偶者・孫
3親等:曽祖父母・叔母叔父・甥・姪
明治時代には間柄による喪中の期間が明確に定められていましたが、現代では明確なルールはありません。
0・1親等の場合には約1年、2親等の場合には半年~1年程度というのが現在の目安です。
親しい間柄で悲しみが深い場合や、故人と同居していた場合は、親等に関わらず喪に服すこともあります。
喪中の期間中は故人を悼み、お祝いごとを避けるべきとされています。具体的な内容としては、お正月のお祝いや結婚式などのいわゆるハレごとです。
では、お歳暮は喪中でも贈ってもいいのでしょうか。自分が喪中の場合、相手が喪中の場合、それぞれ解説します。
自分が喪中の場合にも、お歳暮は贈ることができます。なぜなら、お歳暮は日ごろお世話になっている方に、1年間の感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣で、お祝いごとではないからです。
故人が亡くなって初めて迎えるお正月は喪に服し、お正月のお祝いは行いません。お歳暮の準備と同じ11月末頃に、年賀状の代わりに喪中はがきを送るのが一般的です。
そのため、お歳暮も贈ってはいけないと混同してしまいがちですが、年賀状とは意味合いが異なりますので気をつけましょう。
まだ四十九日を過ぎていない場合には、忌明けに贈るのが一般的です。
相手が喪中のときも、同様にお歳暮を贈っても問題ありません。ただし、贈る時期や贈る際の体裁には注意しましょう。
故人を亡くして気持ちが落ち込んでいる場合もあるので、配慮が必要です。また、亡くなったことを知ったうえで故人宛に贈ってはいけません。
相手のことを想って贈るお歳暮ですので、贈った相手を嫌な気持ちにさせてしまうことのないようにしましょう。
亡くなってから四十九日の法要までの「忌中」には、お歳暮を贈ることは避けましょう。
まだ亡くなって間もない忌中には、悲しみに暮れていたり、手続き等で忙しくしていたりします。ご遺族のお気持ちを察して、時期をずらして贈ることが望ましいです。
また自分が四十九日の間も、忌明けに贈るほうが無難です。
日本では古くから死を穢れたものとする考え方があり、外部に穢れを持ち込まないために喪に服すという習慣がありました。そのため、忌中の贈り物は穢れがあると気にする方もいます。
年末までに届けるのが難しい場合は、「寒中御見舞」や「寒中御伺」として贈りましょう。
喪中にお歳暮を贈る場合でも、のし紙の表書きは「お歳暮」もしくは「御歳暮」と書いて贈ることができます。
表書きの下には、表書きより少し小さな字で贈り主の名前を入れましょう。
掛け紙は包装紙の内側・外側のどちらでも問題ありません。配送する場合は包装紙の内側、直接手渡しする場合は包装紙の外側にすることが多いです。
喪中のお歳暮は、品物選びにも注意が必要です。紅白のものやお正月のごちそう用の食べ物など、お祝いごとやおめでたいものは避けましょう。
生肉や魚などの生臭ものも、ご遺族が喪中のときは控えている可能性がありますので、避けた方が無難です。
また、相手の同居家族が亡くなった場合には、家族構成が変わっていることも考慮しましょう。アルコールや甘いものなど故人が好きなものを贈っていた場合には、ほかの家族は召し上がらない場合もあります。
日持ちの短いものや量の多いものも、家族の人数によっては避けた方が無難です。
会社宛のお歳暮ですが、相手先の社長や会長などの重要人物が亡くなったばかりで配慮したい場合もあるでしょう。
その場合は通常お歳暮で使われる紅白の水引がかかったのしを使わず、「奉書」と呼ばれる白い無地の紙にお歳暮と書き入れて贈る方法があります。
ただ、それでも気になる場合は落ち着く頃合いを見計らって贈る時期を後ろにずらし、寒中御見舞として品物を贈る配慮をしてもよいでしょう。
喪中でもお歳暮のお返しを贈ることはできます。ただ、相手が喪中の場合は、体裁に注意したうえで贈ります。また、いただいた後にお礼状を送る場合、数日以内にお礼状を出すようにしましょう。
亡くなっていたことを知らずに故人宛にお歳暮が届いてしまった場合、いただいた品はありがたく頂戴し、後日お礼状を添え、同額程度の品物をお返しするようにしましょう。
お礼状には、「〇〇(故人)は、◯月◯日に永眠いたしました。ご連絡が行き届かず(遅くなり)申し訳ありませんでした。」などとお詫びを添えましょう。
自分が喪中の場合でも、相手が喪中の場合でも、お礼状に喪中である内容を書く必要はありません。
お歳暮は季節の挨拶で日頃の感謝を伝えるものです。内容はありがたく頂戴した旨と、相手の健康を気遣う言葉を添える程度にとどめ、贈り主に余計な心配をかけさせない配慮が必要です。
なお、時候の挨拶の際によく使われる「ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」といったような慶事を連想させる言い回しは、喪中の場合は避けるのが無難です。
「ますますご健勝のことと存じます」といったように、控えめな文を心がけて書くようにしましょう。
拝啓
師走の候、〇〇様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
さて、この度は心のこもったお歳暮の品を頂戴し、ありがとうございました。家族皆の大好物なので、届いたその日の夕食に早速いただきました。
いつも気にかけていただき、ありがとうございます。
寒さが厳しくなってきましたので、くれぐれもお体には気を付けてお過ごしください。
略儀ながら書中をもってお礼申し上げます。
敬具
お歳暮を贈る前に送り状を送る場合や、いただいた後にお礼状を送る場合、おめでたい言葉を使わないように、文章に気をつけましょう。
年明けに贈る「寒中御見舞」の場合にも、「新年明けましておめでとうございます」と誤って書くことのないように注意が必要です。
亡くなっていることを知っている場合は、故人宛のお歳暮を贈るのは控えましょう。故人宛に贈ることで、ご遺族に悲しい気持ちを思い出させてしまうこともあります。
死別により相手との縁が切れると考えられるので、お歳暮のやりとりをやめても問題ありません。
家族ぐるみのお付き合いで今後もお歳暮を贈りたい場合は、ほかのご家族の名前に変更することを忘れないようにしましょう。
年末までにお歳暮を贈るのが難しい場合は、「寒中御見舞」として贈ります。ただし、喪中の間は新年を祝うことはしないため、新年を祝う「松の内」を過ぎてから贈る必要があります。
松の内は、関東では1月7日まで、関西では1月15日までを指すことが多いです。
「寒中御見舞」は立春(2月4日頃)まで使うことができます。目上の方に贈る場合は、「寒中御伺」のほうが丁寧な印象になります。
喪中のお歳暮の贈り方について紹介しました。感謝の気持ちを伝えるお歳暮も、喪中の期間はためらってしまうかもしれません。
相手への配慮を忘れずに注意点に気をつければ、いつも以上に感謝が伝えられるはずです。
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