迷惑をかけたときは直接会って謝罪やお詫びをすることも大切です。相手のところへ訪問する際は菓子折りを持参することも検討しましょう。ただ、マナーを守らないと逆効果になる可能性があります。
こちらの記事では、迷惑をかけたお詫びのお菓子としてどんなものを選ぶべきか、さらに渡すときの注意点など、謝罪やお詫びの菓子折りとそのマナーについて説明します。
謝罪やお詫びで菓子折りを渡す理由
仕事のミスやビジネス上のトラブルで先方に謝罪やお詫びに行く際、誠意のある謝罪の言葉を伝えることは大事ですが、菓子折りを持参することで誠意がより伝わりやすくなります。
ただ、菓子折りを持参する上で大事なのは、「菓子折りを持参したからこれで許してもらおう」と思わないことです。
お詫びの気持ちを言葉だけで伝えるのは難しいものですが、そのような言葉だけでは伝えきれないお詫びの気持ちを、目に見える形であらわしてくれるのが菓子折りです。誠意がしっかりと相手に伝わるようにマナーに注意しましょう。
謝罪で菓子折りを渡すタイミング
謝罪で菓子折りを渡す際に最も気を付けたいのが渡すタイミングです。
菓子折りを渡すタイミングは帰り際になります。お祝いのときのように最初に渡そうとすると「物で許してもらおうと思っている」と相手に感じられてしまい、誠意が伝わりません。
また、相手にとって菓子折りを受け取るということは謝罪を受け入れるという意味になります。そのため、相手が謝罪を受け止めたと確認ができた後に渡すのが適切なタイミングになります。
くれぐれも謝罪をする前や途中で渡さないようにしてください。
謝罪の菓子折りののしの付け方
謝罪の菓子折りにはのしはかけません。のしはお祝い事のイメージが強く、お詫びには向きません。
どうしても付けたい場合は表書きを「お詫び」「粗品」などとし、紅白結び切りの掛け紙を使います。紅白結び切りでも婚礼用のものを使わないように気を付けます。水引の入っていない無地の短冊を付ける形でもよいでしょう。
くれぐれも花結びの水引が入っているのし紙は使わないようにします。花結びには何度でも結びなおすことができるという意味が込められているため、何度起こっても嬉しいことの時にのみ使います。
謝罪の菓子折りのマナー
菓子折りを渡すタイミング以外にも気を付けたいマナーがいくつかあります。
謝罪の最中は見えないようにする
菓子折りを両手で体の前に持つなど、あからさまにお詫びの品を持っているように見えるのはNGです。
無理に全体を隠す必要はありませんが、荷物を置く際にカバンの後ろに隠すなどの配慮は必要です。
渡すときは袋から出す
手提げに入れて菓子折りを持参しますが、渡すときは袋から出して渡します。いったん自分側の向きで品物を確認してから、向きを相手のほうに直して両手で渡します。
なお、上司と訪問した際は上の立場の人間から渡すようにしましょう。
無理に渡そうとしない
菓子折りを相手が受け取るということは、謝罪を受け入れることを意味します。そのため相手の怒りがおさまらず、受け取らない時もあります。
その場合は無理に渡そうとせずに持ち帰りましょう。
謝罪で菓子折りを渡すときの言葉
菓子折りを渡す際に丁寧な言葉を添えて渡しましょう。
「心ばかりの物ですが、お納めください」
「このたびは誠に申し訳ありませんでした」
などの一言が良いでしょう。
「つまらないものですが」という表現は現在は好まれず、失礼にあたる可能性があるため、使わないようにしてください。
訪問の目的は謝罪であって品物を渡すことではないので、菓子折りを渡すときは簡潔に一言添える程度を意識することが大事です。
謝罪の菓子折りの金額相場
謝罪における菓子折りの金額相場は3,000〜 10,000円程度です。
どのくらいのトラブルやミスだったのか事の重大さによって金額は前後します。例えば、相手に大きな怪我を負わせてしまった場合や、企業に大きな損失を与えてしまった場合などは高くなるでしょう。
状況に合わせて適切な金額の菓子折りを選びましょう。
謝罪・お詫びの菓子折りの選び方
謝罪・お詫びの際には高級感がありながら、派手すぎず控えめな菓子折りを選びます。また、気軽に食べやすいもののほうが相手の負担にならず、すぐに消費できます。
相手の負担になりづらいという意味では賞味期限がある程度長いお菓子もおすすめです。
デザインの凝ったお菓子や流行りのお菓子よりは、伝統のある老舗の定番菓子のほうが格式高く印象が良いです。多くのデパ地下などで見かける有名店の王道のお菓子を選ぶとよいでしょう。
謝罪やお詫びの菓子折りのおすすめ10選[洋菓子]
洋菓子でおすすめは、定番の焼き菓子であるマドレーヌやフィナンシェ、クッキーなどです。焼き菓子は洋菓子の中でも賞味期限が長く、個包装で手軽に食べやすいので相手の負担になりにくいのがポイントです。
迷ったら誰もが知っているような有名店の定番商品がおすすめです。
1. ヨックモック「セット デリス」
“7つ(Sept)のおいしさ”で、贅沢感が溢れる「セット デリス」。3種類のシガールが楽しめる贅沢な詰め合わせ。
2. ル パティシエ タカギ「メープルリーフパイギフト15枚入」
バターの香り豊かなサクサクパイに、メープルシュガーをのせて焼きあげたお菓子。口の中に広がる優しいメープルの香りが楽しめます。
3. ガトーフェスタ ハラダ「グーテ・デ・ロワ カカオ」
ガトーラスク「グーテ・デ・ロワ カカオ」はチョコレートと、ローストしたカカオ豆を粉砕したカカオニブをフランスパンに練り込みガトーラスクに仕上げた逸品。
ガトーラスクのサクサクとした食感とバターの美味しさと共に、カカオの香り、ほろ苦さが楽しめます。
4. ゴディバ「ラングドシャクッキーアソートメント52枚入」
有名なチョコレートブランド「ゴディバ」のクッキーです。チョコレートを練りこんで軽やかに焼き上げたラングドシャでチョコレートをサンドした「ラングドシャクッキー」と、ジャンドゥーヤチョコレートと刻んだヘーゼルナッツを織り込んだ「サブレノア」の詰め合わせ。
5. 柏屋「チーズタルト檸檬12個入」
柏屋は、創業1852年でまごころを包んで160余年の和菓子店。爽やかなレモンの風味と、クリーミーなチーズの味が楽しめます。
6. ユーハイム「バウムアソート20個」
ユーハイムは、日本にドイツ菓子のバウムクーヘンを伝えたカール・ユーハイム氏が創業者で、1909年創業。乳化剤や膨張剤を使わずに素材の力を使い、油脂はバターだけで焼きあげた味わいと豊かな香りのバウムクーヘンが楽しめます。
7. 新宿高野「クリスタルデュオ12入」
新宿高野は1885年創業のフルーツ専門店。ゼリーとプリン、それぞれの食味がお互いの味わいを引き立て、絶妙のハーモニーが楽しめるデザートです。
8. ブールミッシュ「グランリュクス(37個入)」
1973年の創業以来、フランス菓子をベースに新しいおいしさを追及し続けるブールミッシュ。8種類の味が楽しめる焼き菓子の詰め合わせ。
9. フォートナム・アンド・メイソン「紅茶・焼菓子・ジャム詰合せ」
フォートナム・アンド・メイソンは、1707年創業の英国王室御用達ブランド。紅茶、ジャム、焼菓子が入った人気のセット。
10. PRESS BUTTER SAND「バターサンド15個入」
和菓子の製法「はさみ焼き」の技術で焼き上げたサクサク食感のクッキーに、濃厚なバタークリームと口どけなめらかなバターキャラメルを挟んだバターサンド。
謝罪やお詫びの菓子折りのおすすめ10選[和菓子]
和菓子では羊羹やカステラといったずっしりと重みがあるものが特に適しています。重みのある菓子は「事を重くとらえている」という気持ちが伝わりやすい意味もあります。また、羊羹は糖度が高く賞味期限が1年以上のものも多いのが特徴です。
誰でも食べやすいおせんべいやおかきも良いでしょう。あんこを使ったお菓子も高級感があり良いですが、賞味期限が短いものは注意が必要です。
1. とらや「羊羹・最中詰合せ6号」
とらやは、室町時代後期、京都で創業した和菓子屋。伝統の味の小形羊羹と、桜・梅・菊をそれぞれかたどった上品な甘さの最中の詰め合わせ。
2. 叶 匠壽庵「あも3棹入」
叶匠寿庵の代表商品である、柔らかな求肥餅を淡い甘さに炊き上げた小豆で包み棹物に仕上げた「あも」の3本組。
3. 赤坂柿山「あ・ら・かしこ」
赤坂柿山は、あられ・おかきの専門店。一口サイズのおかきがたくさん入ったセットです。
4. 藤い屋「淡雪花・花虎白16個」
和菓子ではあまり使わない素材を使い作り上げた花虎白と淡雪花。和や洋を越えた新しい印象のお菓子です。
5. 吉田屋「葛餅、柚子くず餅詰合せ」
創業明治15年の老舗「吉田屋」の葛餅と国産柚子を使った柚子くず餅の詰め合わせ。
6. 桂新堂「海老づくし」
えびせんべいひとすじ150余年の「桂新堂」。独自の製法でえびの醍醐味を満喫できる「姿焼き」「あられ焼き」「磯焼き」「炙り焼き」「渦巻き」が味わえる贅沢な詰め合わせ。
7. 鶴屋八幡「手作り百楽20個入」
鶴屋八幡は、伝統を継承し1863年創業。昭和38年の発売以来多くの人に愛されている百楽。出来立ての味わいを際立たせた粒餡最中です。
8. 松江 風流堂「若草18個入り」
創業明治23年の「風流堂」。やわらかな求肥に鮮やかな若草色のそぼろをまぶし、風光明媚な春の若草山を表現した上品な逸品。
9. 菓匠 清閑院「金胡麻せんべい 雅月18枚入」
菓匠 清閑院は、京都の和菓子店。優しく甘い、バニラ風味のクリームを挟んだ香ばしい金ゴマ入りの煎餅。
10. 福砂屋「カステラ 1号 2本入」
撹拌の際に擦り減らされた中にも、双目(ざらめ)糖がカステラの底に残っているのが、福砂屋のカステラの特徴。
伝来の古法を守り、丹精を込めて焼き上げる、手づくりならではの味わいが楽しめます。
お詫びの気持ちを菓子折りと一緒に
謝罪やお詫びでの菓子折り選びやマナーは慎重になりがちですが、謝罪の内容や伝え方のほうが重要です。
誠意が伝わるように謝罪を丁寧に行った上で、菓子折りを渡しましょう。